お宮参りを迎える頃の赤ちゃんの両親をはじめ、両家の祖父母にも、何とも言えない幸福感を感じている頃ですが、どちらの親がどんなお祝いをするかが、問題ともなります。
赤ちゃんの両親の実家のどちらが主導権を持つのか、赤ちゃんのお祝いの気持ちから暴走しがちですが、お宮参りの本来の慣習を考えれば、明白です。
お宮参りの慣習は、日本古来の伝統文化のひとつで、いまでは否定的な解釈もされる「家」という考え方が基盤にあります。
そのため、特に男の赤ちゃんの場合には、父方の祖父母が主導するといえます。
お宮参りをどちらの親が主導するかは?
お宮参りをどちらの親が主導するのかは、産着の準備を考えてみると、父方の祖父母が主導権を持つと考えられます。
地域や地方のしきたりや慣習の違いもありますが、お宮参りの時に着せる赤ちゃんの産着を、母方の実家からお祝いとして贈ることが一般的です。
お祝いの産着を着せて、お宮参りの神社参拝に抱っこする役目として、父方の母親が介助役として付き添います。
これらの慣習をみても、お宮参りの主導権は、父方の実家といえます。
日本古来の家という考え方から、赤ちゃんのお母さんは父方の実家に嫁いだというものがあり、嫁ぎ先である父方の実家が主導権を握るという理屈です。
現在の日本の家族のあり方は、従来とは考え方も実態も、以前とはかなり変化していて、前述のような考え方がそのまま通用するとはいえませんが、慣習的には、父方の実家が主導するのが、慣習です。
お宮参りの段取りに、トラブルの気配を感じたら?
お宮参りの段取りに、トラブルの気配を感じたら、赤ちゃんの両親であるお父さんとお母さんが、主導権を握ることが、最も良い方法です。
両家の実家の親たちが、自分たちの孫にあたる赤ちゃんの誕生への喜びから、先を争ってお祝いしたがる感情は理解できますが、そのままでは、両家の精神的なしこりにもなります。
前述のように、昔の日本で一般的に考えられていた「家」に対する概念が崩れている現代では、嫁ぎ先という感覚がない母方の実家も、父方と同様にお祝いしたいと希望することも不思議なことではありません。
赤ちゃんをお祝いしたいという両家の親たちの気持ちを考慮すれば、どちらか一方を抑え込むことは、得策ではありません。
こういった場合には、お宮参りの費用のことや手間など、さまざまな理由から、赤ちゃんの親であるお父さんとお母さんが主導権を握る事を、両家とよく話すことです。
お宮参りに対する両家の体裁や意地の張り合いで、親が揉めることは、赤ちゃんのお祝いに水を差すことにもなり、本末転倒ともいえます。
お宮参りのやり方も、家族や時代に合わせた段取りを!
お宮参りの本来の伝統とされたやり方が、現代の家族のあり方には合わなくなってきている方法も存在します。
昔の日本では当たり前であった、女性が男性の「家」に嫁ぐという考え方では、お宮参りをどちらの実家の親が主導するかという問題は起きず、父方の実家が行います。
しかしながら、現代の日本の家族のあり方や少子化の関係から、父方と母方の実家が同様にお祝いしたいという意思表明があっても、不思議なことではありません。
両家の親たちの意思が強い場合には、赤ちゃんの両親のどちらかの実家の親に主導されるのではなく、赤ちゃんの両親が主導することを宣言することをおすすめします。